その野菜、実は「輸入品」ではありませんか? —— 肥料から考える日本の食料自給率
京都・西陣を拠点に「mame-eco」としてコーヒーかすの資源循環活動を始めてほぼ6年。 日々、自転車で京都の街を回りながらコーヒーかすを回収している中で、私たちがずっと考えていることがあります。
それは私たちの足元にある土の自立についてです。
今回は、普段何気なく食べているサラダから見える、日本の食の意外な舞台裏についてお話しさせてください。
サラダボウルの中のコンテナ船
日本全国、どの地域にも誇るべき豊かな農地があり、私たちは「国産」というラベルを見て、日本の農家さんが丹精込めて育てたものだと信じて疑いません。
しかし、その野菜の「材料」まで国産でしょうか?

成長を支えた肥料原料の多くは、何千キロも離れた海外から海を越えてやってきたものです。
日本の化学肥料原料の海外依存度はほぼ100%。一皿のサラダの背景には、実は目に見えないコンテナ船が浮かんでいるのです。
これは完璧を目指すための議論ではありません。農家さんも、消費者の私たちも、それぞれができる範囲で、少しずつ「地域の資源」に目を向けてみる。
捨てればゴミ、活かせば資源。そんな視点を持つことから始まります。
化学肥料の正体は石油とガス?
肥料の主成分である尿素は、実は天然ガスと空気から作られています。日本はエネルギー資源を輸入に頼っているため、肥料を作るためのエネルギーそのものも海外次第。
世界のどこかで紛争が起きれば、日本の農地の栄養もまた、その影響をダイレクトに受けてしまいます。

化学肥料を使うということは、間接的に海外の化石燃料を土に注ぎ込んでいるのと同じこと。
私たちの食卓の基盤がいかに脆い(もろい)かを物語っています。
国産の定義を、もう一段階深めるために
日本の食料自給率はカロリーベースで38%。ただでさえ低いと言われるこの数字ですが、肥料や種子まで含めた「真の自給率」を考えると、状況はさらに厳しくなります
本当の意味での食料自給とは、資源も自分たちの手で賄えるようになることではないでしょうか。
マメエコが提案する肥料の自給
毎日出るコーヒーかすは、ただのゴミではありません。それは、私たちの街の中に眠っている「未活用の有機資源」です。
これを堆肥化して畑に戻すことは、海外産の使い捨て燃料に頼るのではなく、土そのものを豊かにする蓄電池を自分たちの手で作るようなものです。

「地産地肥」の時代へ
コーヒーかすは、あくまで入り口に過ぎません。卵の殻、野菜のクズ、酒粕や麦芽粕。これまで生ゴミとして捨てられていたものを地域の堆肥へと変える。
この「循環の輪」が重なり合えば、コンテナ船への依存を確実に減らしていくことができます。

あなたの一杯のコーヒーのあと、あるいはキッチンでのひと工夫。その選択が、日本の土と、私たちの食の自律を守るための静かな、けれど力強い挑戦に繋がっています。